烏野える「1st、2ndという二つの地獄をくぐり抜けた5名の猛者たち。しかし、ここから先はもはや重力との戦い、精神の極限状態!KARASUKEの心臓部、無重力空間『3rdステージ』の幕開けです!」

90配管工
マリオ(29)



​烏野える「3rdステージ、最初の挑戦者は赤い流星、マリオ!」
ルイージ「兄さん、腕を使いすぎないで!足で回すんだ!」
マリオ「よし!いくぞ!」
緑山の夜気は冷たく、観客の喧騒さえも遠く感じるほどの静寂が、スタート地点を包み込む。マリオは深く、長く息を吐いた。見上げる先には、暗闇に浮かび上がる無慈悲な突起とレールの群れ。
マリオ「ここからが本当の勝負だ!」
マリオはグローブを締め直し、鉄のレールに手をかけた。

①スカイサイクリング
走行距離5m

烏野える「さあ、空中散歩の始まりだ!逆さまの自転車にぶら下がり、己の脚で進路を切り拓く!腕にかかる自重を腹筋で支え、ペダルを回す!」
ルイージ「兄さん、漕いで!腕をロックして、体幹で支えるんだ!」
烏野える「ガシャン、ガシャンとレールの継ぎ目を越えるたびに、衝撃が腕の付け根を襲う!しかしマリオ、一切の揺らぎなく終着点へ到達!」

②フライングバー

烏野える「ストッパーに激突した勢いを利用し、1本目のバーを掴んだ!ここからは腕力の修験道!」
ゴウ「うわあ、あんな不安定なバーを飛び移るのか!?サトシ、あんなの不可能だよ!」
烏野える「体を大きく振り、放物線を描いて2本目、3本目へ!飛んだ!捉えた!」
野原しんのすけ「おぉ〜、おじさん、空飛ぶムササビみたいだゾ!かっこいい〜!」
烏野える「乳酸が溜まり始める腕を根性で引き寄せ、マリオは未知の領域、シャンデリアへと狙いを定める!」
ホップ「いけっ!その勢いで飛び移れ!!」
日向翔陽「うおぉぉ!飛べ!マリオ!高く、もっと遠くへ!!」
烏野える「3本目のバーから直接飛び移る!狙うはシャンデリアブランコリン、1本目のランプだ!行けぇぇ、マリオ!!」
マリオ「……っ!?」


バシャーン!!


烏野える「ああーー!!マリオ、届かない!空中庭園の最初の跳躍、シャンデリアに嫌われたーー!!1st最速の男、力尽きました!!」

903rd STAGE リタイア
マリオ(29)
配管工



ルイージ「兄さん!!そんな……あんなに順調だったのに!」
ピーチ「マリオ!怪我はない!?……信じられない、あのマリオが……」
ヨッシー「マリオ、大丈夫!?」
マリオは水面から顔を上げ、濡れた帽子を握りしめたまま、ただ静かにシャンデリアを見上げた。
マリオ「……滑ったんじゃない。僕の力が、この魔城に届かなかったんだ。……完敗だよ」
カラテ家「マリオさんほどの人が、エリアの序盤で……。3rdステージ、ここはまさに『腕力の墓場』ッス!」
ダンデ「これが重力の重みか。チャンピオンといえど、この空中ではただの一人の挑戦者に過ぎないということだな……。」


レポーター「マリオ選手、まさかの結末です。手応えはあったように見えましたが……」
マリオ「スカイサイクリングで思っていた以上に腕を使わされたよ。最後、バーを離す瞬間に力が逃げてしまった。……悔しいけれど、これがKARASUKEなんだね」


烏野える「1st最速の男、マリオ選手ですらシャンデリアの露と消えた。これが、重力が支配する暗黒の空中庭園……!攻略の糸口さえ見えぬまま、静寂が支配するスタート台に、もう一人の天才が立ちます!コートを支配する精密な指先は、この冷徹な鉄のレールをも捉えきることができるのか!?」

91烏野高校卒業生 バレー選手
影山飛雄(29)



烏野える「影山飛雄、29歳!」
日向翔陽「影山!お前、指先ばっかり気にしてると足が疎かになるぞ!しっかり漕げよ!」
影山飛雄「……うるせぇボゲェ。分かってる。」
影山はスタート台の縁に立ち、軽く指先を動かした。セッターとして何万回、何十万回と繰り返してきたルーティン。しかし、目の前に広がる景色はバレーコートではない。漆黒の闇に浮かぶ、冷徹な鉄の軌道だ。
静寂の中、自分の鼓動だけが耳元で鳴り響く。先ほどマリオが上げた水しぶきが、まだ空気中に湿り気として残っている。影山は深く、鋭く息を吸い込んだ。
影山「……行くぞ。」

①スカイサイクリング
走行距離5m

烏野える「さあ、スタートを切った!逆さまの自転車、スカイサイクリング!影山、持ち前の長いリーチを活かしてハンドルをホールド。しかし、ここからが地獄の始まりだ!」
及川徹「飛雄ちゃん、フォームが硬いよ。腕だけで支えようとしたら、すぐにパンパンになっちゃうよ?」
烏野える「影山、必死にペダルを回す!ガシャン!ガシャン!と鈍い音が闇に響く。中間地点!しかし、レールの継ぎ目を越える際の衝撃が、限界に近い前腕を直撃する!」
影山「くっ……!まだ……まだだ……!!」
烏野える「執念でペダルを蹴る!終着点のストッパーが見えてきた!あそこを叩いた勢いで、前方のフライングバーへ飛び移らなければならない!」
影山「今だ!!」
烏野える「ストッパーに激突!その反動を利用し、影山がハンドルを放した!前方のバーへ、渾身の力で右手を伸ばす!!」


バシャーン!!


烏野える「ああーーーっと!!影山飛雄、最初の跳躍で力尽きた!!フライングバーに指一本かけることもできず、緑山の水底へ沈みましたーー!!」

913rd STAGE リタイア
影山飛雄(29)
烏野高校卒業生 バレー選手



日向翔陽「影山ーー!!バカ!お前のバカ!!もっと必死に漕げって言っただろ!!」
及川徹「……やっぱりね。空中での体の使い方は天才的でも、自分の体重を支え続ける『静』の筋力は、まだ足りなかったみたいだね。飛雄ちゃん。」
影山「(水面から顔を上げ、荒い呼吸を吐きながら)……クソッ……。重力が……こんなに、遠いのか……。」


レポーター「影山選手、残念でした……!最後、バーが目前に見えていましたが、何が起きたのでしょうか?」
影山飛雄「……サイクリングで、腕が死にました。ハンドルを離した瞬間、もう指が動きませんでした。……日向の言う通りだ。俺は、このステージを舐めてた。……次は、負けねぇ。」


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