烏野える「さあ、ついに……ついにこの時がやってきました。100名の挑戦者、その最後の1人。マリオが沈み、影山が散り、鉄人カラテ家、そして無敗の王者ダンデまでもが飲み込まれた、この3rdステージという名の魔窟!もはや絶望しかないこのスタート台に、100人目の勇者が立ちます!かつて数多の地方を巡り、不可能を可能に変えてきたマサラタウンの少年。38歳になった今、守るべき家族と100人の仲間の想いをその拳に宿し、前人未到の頂へ向かって……全開、ゼンリョクのゲットだぜ!!」

100ポケモンマスター
サトシ(38)



烏野える「サトシ、38歳!」
サトシ「(グッと拳を握り、天を仰ぐ)……みんな。俺、行ってくるぜ!」
静寂。先ほどまでの喧騒が嘘のように、会場が固唾を呑んで見守る。サトシの耳に届くのは、自分の心臓が刻む激しいビートと、夜風が鉄骨を鳴らす音だけだ。これまで数えきれないほどのピンチを、土壇場のひらめきと根性で切り抜けてきた。その経験のすべてを、今、この両腕に集約させる。

①スカイサイクリング
走行距離5m

烏野える「サトシ、逆さまの自転車に飛びついた!かつて自転車をボロボロにしてまで駆け抜けた旅路の始まりを思い出すかのような、猛烈なペダリングだ!」
セレナ「サトシ、頑張って……!」
烏野える「レールの継ぎ目!ガタついた瞬間、サトシは腹筋を極限まで収縮させ、重心を車体に固定した!『超人』と謳われたその体幹、38歳になっても微塵も衰えていない!ストッパーに激突!」
ヨッシー「あんなに激しくぶつかったのにハンドルから手が離れないなんて!」
烏野える「その衝撃を逃さず、ハンドルを蹴るようにして前方のバーへ……掴んだ!!」

②フライングバー
間隔 1.5m

烏野える「フライングバー!1本目から2本目へ、ダイナミックなスイング!空中で自分の位置を完璧に把握している!2回、3回!着実に、しかしスピーディーに距離を殺していく!」
カスミ「いいわよサトシ!その調子!」
タケシ「腕の乳酸を溜めないよう、最小限の振りで進んでいるな。冷静だぞ、サトシ!」

③シャンデリアブランコリン

烏野える「シャンデリアへ飛び移った!大きく揺れる突起!しかしサトシは、指先に『接着剤』でもついているかのようなホールド力を見せる!1つ、2つ、3つ!ランプを渡るそのリズムは、まさにポケモンバトルの攻防そのもの!さあ、2つめのシャンデリアへ!」
サトシ「……よし、風を感じろ!行っけぇぇぇ!!」
烏野える「飛び移った!」
シトロン「サトシ、2個目のシャンデリアに到達しました!」
ユリーカ「いけいけー!サトシ、キープキープ!」
シロナ「驚いたわ。腕に溜まった乳酸を、呼吸とリズムで逃がしている。」
烏野える「最後の一歩!指先が真っ白になりながらも、サトシの魂はまだ燃え尽きていない!」
サトシ「これで……最後だ!!」
烏野える「最後のランプから足場へ……渾身の跳躍!着地!!」
野原しんのすけ「おぉ〜、マサラのおじさん、あんなに高いところから飛び降りて、お膝がガクガクしてないゾ!」
野原ひろし「しんのすけ、膝どころか精神力が異次元なんだよ……見てみろ、あの目を!」
烏野える「さあ……ついに、運命のエリアへ辿り着きました!」

④クリフハンガー
突起 3cm

烏野える「クリフハンガー!3rdステージの心臓部。ダンデさえも絶望した、3cmの鉄の牙!サトシ、突起を前に深く、深く呼吸を整える。指先はすでに真っ赤に充血しているが、その瞳に宿る炎は消えていない!」
サトシ「……よし。……みんなの想い、全部持っていくぜ!」
烏野える「1つ目の突起に指をかけた!全自重が指先一点にのしかかる!まずは横へ移動。2つ目の突起は、少し高い位置にある!」
ダンデ「サトシ……!俺が落ちたあの場所、お前ならどう越える!?見せてくれ、お前の『ゼンリョク』を!」
烏野える「サトシ、腕を深く曲げて溜めを作った!跳んだ!!……決まった!!」
セレナ「やった……!」
烏野える「サトシ、ダンデが落ちたあの魔の2つ目を、鋼鉄の意志で捉えました!!」
リコ「すごい……あんなに指が震えているのに、突起から離れない……!」
ドット「信じられない。」
烏野える「しかし休む暇はない!3つ目へと指を滑らせる!指先の感覚はもうないはずだ!それでも彼は止まらない!ついに……ついにやってきた!4つ目へ背面ジャンプだ!!」


サトシの視界が歪む。腕は焼け付くように熱く、指の第一関節は今にも千切れそうだ。背後にあるはずの4つ目の突起。見えない。だが、信じる。これまで幾多の「見えない勝利への道」を信じて走ってきたように。


サトシ「(腹の底から絞り出すような咆哮)……うぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!」
烏野える「跳んだぁぁぁ!!空中で体を反転!サトシの右手が空を舞う!掴め!掴んで…」


バシャーン!!


烏野える「くれぇぇぇ!!」
ホップ「あ、あと少しだったのに!指先が……指先がかかったのに!」
ブロリー「あれはもはや力の問題ではない……運命に嫌われたか……!」
マイケル・サンチェス「なんてこった。」
烏野える「指先が……指先がわずかに突起の角を叩きましたが、力及ばず!100人目の勇者も、クリフハンガーという名の絶壁に飲み込まれました!!」

1003rd STAGE リタイア
サトシ(38)
ポケモンマスター



サトシ「(水の中から悔しそうに顔を出す)……あぁーっ、ちくしょー!!あとちょっとだったのに!!」
ダンデ「サトシ、ナイスファイトだ!お前が2つ目を越えたとき、俺は震えたぞ!」
ゴウ「サトシ、かっこよかったぜ!世界で一番、あの壁に近かった!」
トラハムちゃん「嘘でしょ…!?」
レポーター「サトシ選手……言葉もありません。あの背面ジャンプ、会場中の誰もが『届いた』と思いました!」
サトシ「……へへ、最後はちょっと指が言うこと聞いてくれなかったかな。でも、最高に楽しかった!みんなの応援、ちゃんと届いてたぜ!次は絶対に、ファイナル進出を『ゲット』してやる!」
ガーネット「今回はFINAL誰も現れなかったね!」
孫悟空「それにしても、ブロリーの落ち方は面白すぎたなwww」
ブロリー「……カカロットォ!!……笑うな!あの回転は、俺のパワーでも……どうにもならんかったのだ……!!」
ルビー「ルビー、トイレに行きたくなった…。」
サフィー「もう、ルビー!こんな感動的なフィナーレの最中に……!ほら、走らないの!」
北信介「初FINAL進出者は誰になるか楽しみだ!」


烏野える「波乱、波乱のKARASUKE!FINAL進出者は、まさかの『ゼロ』!この圧倒的な絶望感を前に、我々は立ち尽くすしかありません!しかし、この壁があるからこそ、男たちはまたここへ戻ってくるのでしょう!皆様、今大会も最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!……この借りは、必ず次回大会で返してくれるはずです!さらば、100名の勇者たち!!」


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